フラワーショップや気になるあの人の
「スタイル」に迫るインタビュー

ケニアのバラが生み出す感動を日本にも——“AFRIKA ROSE”萩生田さんの思い

ハイセンスながらもシンプルな店先にならぶ、大輪のバラの花。こんなにも大きく色鮮やかなバラがあるのか、とつい見とれてしまうほどの美しさです。実は、このバラは、すべてアフリカのケニアから直輸入したもの。東京・広尾にある“AFRIKA ROSE”経営者の萩生田(はぎうだ)さんに、ケニアのバラの魅力や店舗に対する思いを聞いてきました。

2017年12月15日
ブルーミー(bloomee) 編集部

東京・広尾でケニアのバラの魅力を伝える“AFRIKA ROSE”


こぢんまりとしたハイセンスな店と、昔ながらの店が混在する、東京・広尾の商店街。広尾駅から恵比寿方面に向かって歩いていくと、シンプルでスタイリッシュなガラス張りのフラワーショップ“AFRIKA ROSE”があります。
この店で取り扱っているバラは、すべてアフリカのケニアの農園から直輸入したもの。
ケニアのバラの魅力とは?ケニアのバラを取り扱うことになった経緯とは?また、“AFRIKA ROSE”に込める思いとは?
経営者の萩生田愛 (はぎうだ・めぐみ)さんに、話を聞いてきました。

“AFRIKA ROSE”の“K”に込める意味

萩生田さんが、ケニアのバラを日本に伝えるため「アフリカの花屋」としてオンラインショップを始めたのが、2012年。2015年10月にブランド名を“AFRIKA ROSE”(アフリカローズ)とし、東京・広尾に初の直営店をオープンしました。
AFRIKA ROSEの“K”は、ケニアのK。また、ケニアの公用語であるスワヒリ語では“C”の音も“K”と表記することから、あえて“AFRIKA”と表記しているのだとか。
白を基調とした外観や、白と木目でまとめたシンプルな内装の店舗は、力強くも美しいバラの花をより引き立てています。

力強くも美しい、生命力にあふれたケニアのバラ

“AFRIKA ROSE”の店頭に並ぶケニアのバラを実際に目で見てみると、その圧倒的な美しさに驚かされます。
一輪咲きのバラの花は、女性のこぶしほどの大きさ。花そのものが大きいだけでなく、花びらの枚数も多く、一つの花の中にぎゅっと詰まっています。色の鮮やかさと珍しいグラデーションの模様が特徴で、まるで鉛筆のようにしっかりとした太い茎も、とても印象的です。

さらに、生命力がとても強いのも、ケニアのバラの特徴。
品種にもよりますが、水替えや手入れをこまめに行えば、購入してから1ヶ月近く楽しめるものもあるというのだから驚きです。また、長持ちさせるためのコツは、花に話しかけてあげることだそう。愛情をかけた分だけ、花は美しく咲いてくれます。

萩生田さんとケニアのバラの出会い

従来は日本ではあまり目にすることのなかった、ケニア産の力強く美しいバラたち。萩生田さん自身がナイロビでケニアのバラに出合い、その魅力に心を動かされたことから、“AFRIKA ROSE”の前身「アフリカの花屋」がスタートしました。

一念発起してボランティアに渡ったナイロビで出会った美しいバラ


萩生田さんは学生の時授業で行った「模擬国連」の経験を通し、世界には貧困で苦しむ国があることを知りました。企業に勤め始めてからも心のどこかでアフリカのことが気になっており、一念発起して6年勤めた会社を辞め、現地の本当の様子を知るため、ボランティアに渡ることを決意しました。 そして、そこで出会ったケニアのバラの圧倒的な美しさと力強さに感動し、このバラの魅力を伝えていきたい、と思うようになりました。

ケニアのバラの感動を日本でももっと伝えたい


ヨーロッパでは、ケニアのバラは高品質なものとして有名でした。
でも、日本では、ケニアのバラを扱っている花屋はほとんどありませんでした。また、一部国内の通販などで「ケニアのバラ」として売られているのは、萩生田さんが現地で実際に目にしたような立派なものではありませんでした。
萩生田さんは、自身が初めて「ケニアのバラ」を見た時の感動を、もっと日本で伝えていきたいと考えるようになりました。

ケニアと日本、バラを通して「価値の交換」を


「ケニアの女性には、たおやかな凜とした美しさがある」のだと萩生田さんは話します。家族を大切に、日々をハッピーに過ごしており、日本にはない精神的な豊かさを持っているように感じたそう。その一方で「明日ご飯を食べられるかわからない、家計を稼ぐために働かなければならず学校教育を受けられない子どもたちもいる」のも事実です。
精神的な豊かさにあふれるケニアと、経済的に満たされている日本。ケニアからは、当たり前のことに感謝する心や大自然のエネルギーを。日本からは、働くことの喜びや、学ぶことの楽しさを。萩生田さんは、この二つの国を「バラによってつなぐことで、価値の交換ができたら」と思ったのだそうです。

オンラインからスタートした「アフリカローズ」

アフリカローズは、最初オンライン店舗としてスタートし、月に1回受注した分を輸入していていました。ロスなどのリスクはありませんでしたが、「記念日などにタイミングが合わない」「実際にバラを見て買いたい」というお客様の声も多くありました。そこに応える形で、実店舗をスタートすることを決意しました。

実は男性がメインターゲット!入りやすい、相談しやすい店舗に

“AFRIKA ROSE”のメインターゲットは、実は男性。店舗の外観や内装は「プレゼントでバラを買おうと思った男性でも入りやすいように」配慮して、あえてシンプルでユニセックスな雰囲気の店舗にしたそう。フラワーデザイナーやスタッフに男性を迎え、気軽に花を買える店舗作りを意識しています。
奥様や彼女に「花を買いたい」と訪れた男性には、プレゼントする相手のイメージを聞いて一緒にバラを選びます。より自身の思いを形にしたいという人には、花束を自分で作ってもらったりもしています。
そして、プレゼントする花そのもののアドバイスだけではなく、このブーケを通して相手にどうやって気持ちを伝えたら良いのか、コミュニケーションの部分もアドバイスしていると言います。

「特別」から「日常」に——気軽に花をプレゼントする習慣を

でも、実際に店を訪れる人たちは、男性の中でも「女性に花をプレゼントする」ことに抵抗がない人たち。 「花をプレゼントすることが特別なことではなく自然になってほしい」「ゆくゆくは特別な日だけでなく、日常使いしてもらえるようになってほしい」そう語る萩生田さんは、「お花をプレゼントしたいけど恥ずかしい、照れくさい」と思っているような人にも、花をプレゼントする習慣を作っていける店舗を目指しています。

萩生田さんに聞いた!ケニアのバラをより楽しむ方法

上手に手入れをすれば、切り花の状態でも1ヶ月以上花を楽しむことができるという、ケニアのバラ。せっかくなので、萩生田さんにお手入れ方法や楽しみ方も少し聞いてきました。

茎を少しずつ切って、より長く楽しんで

数日水を変えなくても保つというほど強い生命力を持つケニアのバラ。より長持ちさせるには、毎日茎を切るようにします。切り口は斜めにし、より水に触れる面を広くすることがポイントです。

店頭に並ぶケニアのバラは、茎が長い状態。最初は、大きめの花瓶に入れて長い茎のまま楽しんで、徐々に短くしていきます。茎が短くなってきたら、小さいグラスなどに飾って楽しんだり、最終的にはプレートに水を入れて浮かべたりするのもおすすめです。

ホームパーティーでハピネスをシェア

大切な人へのギフトとしての印象が強いケニアのバラ。萩生田さんがおすすめする楽しみ方は、ホームパーティーだそう。 家に友達を招く際、ケニアのバラのブーケをダイニングテーブルに飾っておけば、一気に部屋の中が明るい雰囲気になりそうですね。 そしてさらに、来てくれた人のお土産として、1輪ずつバラを持って帰ってもらえば、ハッピーな気持ちをシェアすることができそうです。

ケニアのバラの魅力を余すことなく伝える“AFRIKA ROSE”

美しく、生命力の強いケニアのバラ。萩生田さんがナイロビでケニアのバラに出合った時のように、店舗で実際にこのバラを目にすると、言葉には言い表せない感動がありました。

まさに、百聞は一見に如かず。 ケニアのバラを一目見てみたいという人には、ぜひ“AFRIKA ROSE”の店舗を訪れてみることをおすすめします。 また、店舗に足を運ぶことが難しいという場合は、オンラインショップからもバラを購入することができます。 オンラインショップ

ケニアのバラの魅力や萩生田さんの思いは、萩生田さんの著書「アフリカローズ: 幸せになる奇蹟のバラ」にも綴られています。花束と一緒に本を贈れば、あなたの伝えきれない思いを伝えてくれます。

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AFRIKA ROSE(アフリカローズ)

営業時間: 11:00〜20:00

7月・8月に限り木曜定休、年末年始はお休み

住所 : 150-0012 東京都渋谷区広尾5-18-8

TEL : 03-6450-3339

http://afrikarose.com/index.aspx